屋根塗装の大事なポイント①材質・種類を把握する

 屋根・外壁塗装で失敗原因のひとつに、建物の材質・種類などがわからないために、業者の言われるがまま、任せすぎがあります。もちろん、専門的なことを全て覚える必要はありませんが、最低限これだけは押さえておくべきポイントがありますので、これから塗り替えを検討されていらっしゃるみなさまにお役に立てる情報をお伝えしていきたいと思います。今回は屋根の種類についてお話しします。

種類を把握する

屋根の素材は地域、年代によって様々なものがあります。じつは、建築業界にも流行があり、設計の段階で予算に合わせた素材が選ばれます。その際、建材メーカーや商社が売り出したい新製品をハウスメーカーや工務店に売り込みますので、実にたくさんの種類があります。また、法律の改正により今まで使えた材質が使用禁止になりパッと見は同じでも中身がガラッと変わったものもあります。

図面・設計図を確認する

屋根の種類を確認するとき、一番最初にして頂きたいのは、建物の設計図を確認することです(ない場合は、ご自分で確認、または、業者に見積依頼するときに聞きましょう)。屋根塗装に限らず、外壁塗装やその他のメンテナンスにも必ず必要な書類になりますので大切に保管して必要なときにはすぐに取り出せる場所に保管してください。

『仕様書・仕上げ表』を確認する

図面に仕様書または仕上げ表という図面があります。建物の各部位の名前が外装・内装それぞれどんな材質・商品が使われているか網羅されています。その中から『屋根』の仕様(種類)を確認します。そこに記載されているものが屋根の種類になります。稀に、仕様と違う種類の材質が使われるときもあります。

屋根の種類

屋根の種類には大きく分けて四つに分類されます。種類によっては、塗装できないものもあるので、しっかり確認しましょう。専門的すぎると眠くなると思いますので、今回は優しい表現で説明させて頂きます。詳しい方、業者さんはあまり突っ込まないで下さいね(^^)。

①陶器瓦・日本瓦

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焼き物の瓦。表面を釉薬などで保護されていて殆ど劣化しないので、塗装の必要はありません。最近は、陶器瓦にも塗れる塗料が出てきましたが、一般住宅では殆ど使われないでしょう。建物のメンテナンスの視点からは、塗装ではなく、屋根下に敷いてあるルーフィング材(防水紙)の劣化のタイミングでの葺き替えがあります。

②セメント瓦

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セメント瓦は、瓦型にセメントを流し込み固めて作った瓦です。工場出荷時に表面を塗装等で防水加工されています。表面の塗装が薄くなると防水が切れますので定期的に塗装のメンテナンスが必要な屋根材です。また、セメント瓦には乾式洋瓦(モニエル瓦・スカンジナビア瓦など)という種類があり、塗り方がセメント瓦とは違うので、注意が必要です。

③スレート系瓦

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日本で一番多く使用されている屋根材です。標品名では、コロニアルやカラーベストが有名です。セメントと補強材を練り込んであり、中でも多く使われているのが厚さが約4.5mmの薄いセメント質の板材です。セメント瓦と同様に塗装で防水性を保っていますので、塗装が劣化するとのメンテナンスが必要です。塗装の際は、縁切りと言われる作業が合わせて必要です。

③金属系

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昔は、トタン屋根と呼ばれていましたが、最近はあまり呼ばなくなりました。材質も数多くあり、亜鉛メッキ鋼板・アルミ・ステンレス・銅など、最近の主流はカルバリウム鋼板と呼ばれる錆に強い材質が多く使われています。

④シングル材

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アスファルトシングルと呼ばれる材質でアメリカ生まれの屋根材です。日本では使用される数はあまり多くありませんが、仙台では震災後、軽量で地震に強い素材として注目され、改修や新築でも採用が増えています。

まとめ

屋根にはたくさんの種類がありそれぞれメンテナンス方法が違います。中には塗装してはいけない屋根材や傷みの状況次第で塗装が出来ない場合もあります。塗り替えと言うとどうしても塗料の話が独り歩きしている傾向にありますが、いくら長持ちする高価な塗料を選んでも、現状把握を疎かにすると期待する耐久性は発揮出来ないどころか、逆に寿命を縮める結果を招くこともあります。

次回はそれぞれの種類毎に詳しく説明したいと思います。塗り替え工事の参考になれば幸いです。

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